粗大ゴミの正しい知識
集団回収は、日本独自の優れたシステムとして自画自賛している自治体も多いのですが、
いくら空き缶を回収しても、海外からの鉄鉱石の輸入量を減らして、廃棄物となってしまう空き缶を原料として資源化・再利用しない限り、廃棄物問題の本質的な解決はあり得ないのです。
これは製品を製造する側が対応すべき問題なのです。
デポジッ卜を拒否し続ける業界の姿勢現状では、散乱缶による環境問題、資源問題、清掃問題が発生していますが、
業界の言い分としては、捨てる人が悪いのであって、捨てないように充分教育して公衆道徳をたかめること、
そのために美化キャンペーンの推進・ごみ箱などの設置が、環境問題としての空き缶問題を解決する有効な方法であるといい、
そのための努力をしているのであると主張しています。
これに対して、ボランティア団体、消費者団体、市町村などでは、業界は捨てる人のマナーをあげつらう前に、
「作りっぱなし」「売りっぱなし」の企業のマナー、企業倫理、商業モラルの方を反省すべきであり、資源・エネルギーという観点からも、
企業はもっと持続性ある社会の構築に向かつて貢献すべきであると強調しています。
ボランティアが、いくら一所懸命に散乱缶を拾い集めても、使い捨て容器が存在する限り、
賽の河原で石を積むような空しい努力に終わってしまい、根本的な解決策とはなりません。
業界はなぜ、諸外国で成功しているデポジット制度に目をつむり、執揃に反対し続けるのでしょうか。
第5回(1992年)あき缶問題欧米調査団報告書(あき缶処理対策協会)と食品容器環境美化協会・Y専務理事の文章からその言い分を紹介し、反論を加えることにします。
・産業界にとって、回収施設を多数設置し、運営する必要があり、高地価・人件費等労働事情・運賃および交通事情下で膨大な逆流通経費が発生し、国民経済的にみて執行コストが膨大になる。
・反論:新たに回収事業をすれば、新たな費用が発生するのは当然のことで、容器包装リサイクル法では、高額な回収施設建設費は市民の税金で賄われているのです。
これは受益者負担の原則に反するものであり、製造・販売した業者が負担するのが当然です。
実際には、業者の負担は、その製品の価格に転嫁され、購入した消費者が負担することになるのです。
・逆流通経費を預かり金に上乗せすれば、製品価格が「預かり金+逆流通費用」だけ上昇し、消費者の負担が増大し、産業界にとっては売り上げが減少し、企業経営を圧迫する。
・反論:空き容器を返却すれば、預かり金は返却されるので、価格とは無関係であり、逆流通費用のみが上昇するだけで、1缶当たりにすればたいした金額にはなりません。
また、受益者負担の原則から費用負担は当然であり、それに反対する消費者はいません。
産業界にとっては売り上げが減少し、企業経営を圧迫するというのが、業界の本音であり、これがデポジット反対の本当の理由であり、まさに語るに落ちるというものです。
業界にとっては今までどおり、市町村に税金で処理させるのが、何の負担もしないですみ、既得権益を守るには好都合なのです。
私も消費者団体と業界とでデポジット問題を検討する会合に出席したことがありますが、当時、自動販売機で売られていた缶飲料は100円でした。
これに10円のデポジットをかけると、売れ行きが落ちると業界は反対していました。
10円程度の値上げで、売れ行きが落ち込むような製品は、生活必需品でないという証拠で、そこまで消費者が営利企業の面倒をみる必要はないのです。
その後消費税が導入されて、103円で売る必要が生じたために、便乗値上げで、あれほど反対していた110円で販売されるようになりました。
その結果は、売り上げが落ちるどころか、逆に上昇し、業界の主張が嘘であったことが証明されてしまいました。
缶飲料は、ミネラルウォーターのように中身の原価は10円もしないようなものから、もう少し原価が高いものまで、統一価格で販売されており、消費者団体はこの点も問題にすべきでしょう。
・デポジッ卜を実施しても空き缶は散乱する。
ごみ処理費の低減につながらず、回収ルートに悪影響をおよぼす。
・反論:散乱缶はデポジットにより、回収率が向上する事は、諸外国の事例や日本国内各地における実験例からも実証されており、この主張の根拠がよくわかりません。
明らかに事実に反する主張なのです。
ちなみにニューヨークのマンハッタンでは、1缶たった5セント(約6円)のデポジットでもホームレスが容器を収集して、1日の糧を得ており、ホームレス専用の容器引き取り所まであります。
空容器10個でパン1個が買えるのです。
1972年からデポジット制度を採用しているオレゴン州における飲料容器の返却率は93%であり、散乱缶の防止や資源回収に多大な効果をあげています。
回収ルートも確立されていない日本で、ルートに悪影響を及ぼすという根拠がまったく不明なのです。
ビールびんの回収も最初からルートが存在していたわけではありません。
業界がつくったものなのです。
ドイツはデュアルシステム(二重システム)を採用しており、それによって負担が増加していません。
欧米のデポジット制では、市民の負担は増大していないのです。
・デポジツト制度に取り込み可能な品目は限られており、廃棄物減量効果に限界がある。
デポジット制度が採用されるのを何とか防ごうとして、鉄面皮にも苦しい屈理屈をよくまあ考えるものだと苦笑してしまいます。
406億缶も製造されている飲料缶に減量効果がないということは何を根拠にしているのでしょうか。
デポジットの利点は、資源となる廃棄物がきれいな状態で集められることです。
現行の分別収集では、他のごみと混ざることによって、汚れてしまい、また、集団回収では協力しない人も多く、資源回収が徹底しないのです。
小売届持ち込みのばあい,使用済容器の保管スペース確保の問題及び衛生上の問題が避けられない。
欧米ではまったく問題になっていないことを、なぜ日本固有の問題のごとく持ち出すのでしょうか。
保管スペースもないような小さな店は販売量も少なく、返還される空き缶の量も少ないので置き場に困ることはありません。デポジット制度の採用をなんとか阻止しようとする意図がみえみえです。
未回収のデポジットの使途が不明確である。
・反論:未回収のデポジットは逆流通経費に流用すればいいことであり、何ら問題はありません。
返却しないで済むデポジット金で、むしろ業界の利益は増大するはずです。
少数の不心得の人による数%の散乱缶のために実施することは、国民経済的にもマイナス面が大きすぎる。
集団回収で収集するのがよい0 .反論.仮に5%の空き缶が散乱しても、その数は20億缶を超えるのであって、無視できるような数ではないにもかかわらず、このような主張を臆面もなくするという、業界の認識と姿勢にこそに問題があります。
たびたび力説しているように、集団回収は、非協力者が多く効率的でないことは集団回収を実施している各地の実態をみれば歴然としているのです。
国土の狭さB 人口密度の高さ・道路幅の狭さ・地価の高さ等,他国と大きく異なった環境条件を考慮する必要がある。
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